幸せは自分次第

幸せを数えたら、あなたはすぐ幸せになれる。

ショーペンハウアー

春を感じる。
ただそれだけで、心も身体も軽やかに感じるのはなぜなのだろう。

「幸せとは」なんて壮大なテーマを考え始めて数年が経つ。その時々で、入ってくるメッセージはそれぞれで、自分自身がその時に欲している情報を無意識にキャッチしているのかもしれない。

その時その時で興味の赴くまま、様々なジャンルの書籍やインタビューなどを転々としながら、なるほどと頭で理解をしようとしてきた。けれども、「幸せ」とは理屈ではなくて、自分自身がその瞬間、心地良く上機嫌でいられること、その状態こそが、まさに「幸せ」だと言えるのではないか。
結局は、「幸せ」とは自分次第なのだと、いたってシンプルな思いに至る。そして、それは感じるもので、「春を感じる」という、なんだかウキウキ晴れやかになる自分自身に気付くだけで、十分なのかもしれない。

その心地良く上機嫌な気分を感じることにフォーカスしてみたら、「幸せ」はそこかしこにいつでもある。散歩途中の桜の蕾がちらほら咲き始めたのを見つけた時、顔をかすめる風から新しい季節の匂いがした時、木枯らし吹く中で首に巻いたストールの温もりを感じた時、そんなささやかな日常の中にある嬉しいことを数えてみたら、思いのほかたくさんの幸せが溢れていることに気づき、すぐに幸せになれる。

いつだって自分次第で、どんな状況の中にも喜びを見つけ、心地良く感じることは可能だと思う。すでに幸せはいつでもそこにあり、きっと自分自身が感じられるか、気づけるかだけなのだろう。
今年も美しく咲いてくれた桜と、見上げればいつでもそこにいてくれる空との、美しいコントラストを眺めながら、今日という日に感謝を込めて。