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シェアの文化

小利を顧みるは、即ち大利の残なり

韓非子

copyright(コピーライト)とcopyleft(コピーレフト)という言葉がある。

私はパソコン仕事を生業としていて、二十年以上前に、趣味で制作していた花作品を残す手段として、ホームページ、WEBサイトを制作することを思いつき、独学で自分のサイトを立ち上げたことが今の状況に繋がっている。

copyleft(コピーレフト)は、「著作権者が自らが作った著作物を入手した人が自由に複製したり、改変できるようにする」ことで、語源としては、もとからあった【copyright】の対極という意味で、copy-right(右)からcopy-left(左)としてできた言葉だということだ。
元々の【right】の意味は、「権利」という意味だが、これを同じ単語の「右」という意味でとらえ、反対の「左」にしたという経緯があるようで、このネーミングセンスもとても好きだし、このシェアの文化とも言える、IT業界の考え方はすごく魅力的に思う。

個人的には、copyleft(コピーレフト)の文化があるIT業界のおかげで、公開されているプログラムや情報から様々な知識を得ることで今に至るので、copyleft(コピーレフト)の文化に育ててもらったと言っても過言ではないと思う。

私自身はゼロからプログラムを生み出せないので、恩恵にあずかるばかりで恩返しというか、恩送りが実践できているわけではない。だから、どこまでシェアの文化が身に付いているかはわからないけれど、思考としては、良いものは独り占めするよりも、できるだけ共有した方が良いと感じている。いつの間にか、そういう考え方は身に付いているように思う。

業界(人)によっては、シェアの発想ではなく、内向きな目先の利益に向かった発想があることに驚くことがある。現在のフリーランスの仕事は、一人在宅でパソコンに向き合う作業で、人間関係などもなく自由気ままなようでいて、反面、色々な業界や様々な立場の人と関わるとも言える。

そのような時に、ふと、その内向きな、目先の「小利」的発想は、逆に「大利」のチャンスを失わないだろうかと思う。直近の利益に囚われる短期的視点ではなく、長期的視点であったり、身近なところへの利益ではなく、より広い全体としての利益に繋がる発想の方が、結果的に上手くいくのではないかと思う。

この二十年の私達の生活を支えてくれているITだったりAIだったりの発展を見て、ベースにcopyleft(コピーレフト)、シェアの文化があるような気がするのは私だけだろうか。
どちらにしても私にとっては、copyleft(コピーレフト)、シェアの文化のおかげで今の私があり、必要な技術や考え方のベースを培ってもらってきたと思う。たくさんの技術や知識を提供してくれた、名前も知らないたくさんのプログラマー、先人たちに感謝と敬意を込めて。

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